死というものは突然やってくるものであり、とてもつらく悲しいものです。

　その中でも家族の死ほどつらく悲しいものはないでしょう。言葉では言い表せないほどのショックを受け、立ち直るための時間もかなり必要となります。

　夫婦にとっては、どちらかが必ず通らなければならない道であり、これが現実です。

　現在の日本では、８００万人近い人々が伴侶を喪って生活していると言われています。

　遺された伴侶が心に大きな衝撃を受けるのはもちろん、同時に身体的にも不眠・疲労感・肩や首のこり・食欲不振・白髪の急増などと言ったさまざまな症状を引き起こします。

　この死別による衝撃が、健康状態に悪影響を及ぼすのは言うまでもなく、結果、遺された伴侶の命までも短命にしてしまうことは少なくないはずです。

　伴侶を突然亡くした場合、その死を認めることは容易ではありません。

　多くの人が同じような悲嘆を乗り越えているとは言え、なかなかすぐに気持ちを切り替えられるものでもありません。

　時間は心を癒す妙薬だとよく言いますが、たしかに人の記憶は時が経つにつれ薄れていくものです。まずは死を現実のものとして受け止め、悲しみを乗り越えるための一歩を踏み出す勇気が必要でしょう。